運動能力の遺伝と才能の限界:子供の努力をどう支えるべきか

『努力は才能に勝る』のか、それともやはり才能が強いのか。努力の価値は何なのか、子供の習い事を通して少し考える機会があった。
背景
次女は空手教室に通っている。子供がスポーツをやっていればもちろん、練習をして試合に勝つなどの"成功体験"をして欲しい。苦しい練習を乗り越えれば、めちゃくちゃ嬉しい体験ができることを知ってほしい。そのために親もしっかり協力、応援する。
しかし、何でもかんでも上手くいくわけはなく、努力しても乗り越えられない「壁」にぶつかる時が来る。勝ち上がって喜ぶ他の子と負けて悔しがる我が子を前にすれば自然と頭をよぎることがある。
努力しても成果を得られない、報われない状況。それに直面した時、子供の気持ちやモチベーション、親の期待や願望にどう折り合いをつけるか。
次女の空手への取り組み
週に4〜5回ある練習を休まず、更に家での自主練習も行うほど熱心に空手に取り組んでいる。大きな大会への出場には届かないが、ローカルな大会ではほぼ決勝まで勝ち進む。
そして試合ではどうしても勝てない相手が常に決勝で待っている。どれだけそこを目標に練習を重ねても、差が縮まる様子も見えない。そんな姿が親としての悩みの一因になっている。
『才能』と『努力』の交差
もちろん 相手の努力量は測ることができない。次女以上に見えないところで努力をしているとも思っている。それでも試合での動き、結果をみると「持って生まれた運動能力の差」という壁を感じる。
努力だけでは乗り越えられない要素もある。それならば果たして、今行っている努力は続ける意味があるのか。他にもっと時間を割くことがあるんじゃないか。子供との向き合い方や競技への向かわせ方など色々悩んでしまう。
努力の価値を再認識する
次女の熱心な取り組みは、忍耐力や自己管理能力などの貴重なスキルを育てていることは確か。1日のうち、1〜2時間もテレビを見たり遊んだりする時間を我慢して練習している。また、勝てなければどこがダメだったのか、考えて工夫をして改善を図る。そんなことを今の年齢でやっている事自体、尊敬できる。私自身を思い返してもそんなことやっていなかった。
そう考えれば結果として努力が報われない場面でも学べることはある。
練習はしてきたが、その練習は正しかったのか、他にも方法があったのか親も一緒に考える。また、改善はできたが新たな問題点が見かれば、次の段階へ進む"成長している自分"を実感できる。つまりこれらが努力から得られる価値だとして、それを上手く子供に伝えられたら良いと思う。
何も他者と比較した結果だけが努力の成果ではないと認識することが大事。
自分の能力の限界を認識し、受け入れる
残酷な事実として運動能力や反射速度など、生まれつきの要素に依存する部分は大きく、それを理解することが不可欠です。
運動能力においては5〜6割が遺伝によって決まるというのは様々な研究結果から解っています。つまり努力し始めるにしても、個人によってスタート地点は違うということ。
次女に落とし込めば、同じ練習をすれば差は開く一方、その差を埋めるには途方もない努力と工夫が必要。さらに言えば、そうしたとしても追いつけない可能性のほうが明らかに高いかもしれない。
厳し現実ではあるけれど、変え難いものに苦しむよりは、まず才能の違いというものがあると受け入れる。そして目線を他者との比較から、次女自身の成長などに置き換えて評価していくと、さらに練習にも意欲的になれると思う。
どうしても受け入れられない場合の対策と選択肢

新しい競技や分野への移行
我が子であれば空手ですが、世の中なにもそれだけの世界ではありません。他の競技や分野で才能を見つける可能性はたくさんあります。
例えば、芸術や勉強など異なるフィールドでの成長を促す選択肢を探してみるのも手だと思います。
本人の気持ちに寄り添う
競技者である子供本人としっかり話し合い、子供自身の考えや気持ちを尊重することで、最善の方向性が見えることもあります。
負け続けても空手が好きだから、まだまだ頑張るといえば試合で勝つことよりも大切なことが学べていると思えるし、他のやってみたいことがあると言えば進んで応援してあげれば良いと思う。
親ができることは前述の『努力そのものの価値』を伝え、ポジティブな気持ちで取り組みを続けるための支援を行うことです。
努力と休息のバランス
努力しつづけて結果がでないと悩んでいるなら、いっそ競技から少し離れてみるのも手かなと思う。練習量を落としたり、完全に休養してみたりして、心身ともにリフレッシュする。そうすれば、改めてモチベーションが上がったり、離れたことで気づくこともあったりと、新たな発見があるかもしれない。
努力に偏りすぎないよう、心身の休息を取る習慣を作ることは大切です。
さいごに
次女の空手での出来事で、今のように空手に時間と労力を注ぐことは本当にこの子のためになるのだろうかと、結構真剣に悩みました。
努力は他者との比較ではなく自己との比較で測る。努力が自身の成長に繋がっていることを認識できれば努力の価値を正しく理解できる。努力は才能と比較するものではないと解りました。
それは競技者の子供本人ではなく、まず親が理解し、相対的な評価や結果とは切り離して認めてあげること。そしてそれを子供に伝えてあげることで、さらに努力に励むようになると知ることが出来ました。